今までは、「商品力」「価格力」「接客力」を、繁盛店にする戦略の大黒柱として据えてきました。しかし、外食市場の競争が激化している今日、これだけでは集客できないのが事実です。
昔は、食材の流通や冷凍技術も未発達で、衛生に関する意識も、まだまだ今ほど高くはありませんでした。ですから、外食市場が未成熟だったこの時代には、「卓越した商品力」「卓越したサービス力」等によって集客できていました。
しかし、これらの「卓越した部分」は、今や、多くの店が持てるようになりました。ですから、このかつての「卓越した部分」は、もはや他店にない「強み」としては、戦略の大黒柱になりえなくなっています。それが、成熟した現在の外食市場です。
つまり、「こだわりの○○」「衛生的な店舗」「スピード」「値ごろ感」などのベネフィットは、今日では、あまり意味を持たなくなってしまったのです。
なぜなら、たいていの店は、衛生的で、おいしくて、サービスも良く、妥当な価格が、当たり前とお客さんが考えるようになっているからです。
どこの店も、「こだわりの○○」となった現在、卓越した商品だけでは、お客さんも店を選ぶことができないのです。
「他店と同じような店作りではダメだ」と感じながらも、飲食業界ではどうしても、卓越した商品力を繁盛店のキーワードとして重要視しがちです。
そこで、寝る間も惜しんで技術の向上、商品の向上、サービスの向上に全力を注いでしまいます。しかし、もはや「強み」として機能していないのですから、その努力に比例して、お客さんが増えることはないのです。
この状態を私は、「闇夜で投げキッス症候群」と呼んでいます。暗闇の中から愛を込めて、一所懸命に投げキッスをしています。自分では何をしているかがわかっている。
しかし、相手には何をしているのかさっぱりわからないのです。つまり、商品のすばらしさや、他店と自店との違いがわかっているのは、自分だけだということです。
商品力、サービス力などは、お客さんの視点からは、たんなる必要条件でしかないのです。繁盛店の十分条件ではないのです。
繁盛店の十分条件は、
第一に、費用対効果よく新規客を集めることができること。
第二に、集めた新規客を効率的にリピーターにできること。
以上の2つが十分条件です。この十分条件を抜きに成功はありえません。
どんなに「美味しい料理」を提供できる「より良い店」になったとしても、お客さんが来なければ潰れてしまうのです。
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